賃貸物件を契約したことがある方はご存知だと思いますが、契約時には必ず「賃貸契約書」を渡されます。
何となく契約書と聞くとめんどくさそう・・・
と全て読まなかったり、何となく同意のサインを記入してしまう方がほとんどだと思いますが、実は重要ポイントを読み逃している可能性があるのです。
そこで今回は、賃貸物件を借りるときにチェックしておきたい賃貸契約書のポイントについてお話ししたいと思います。
サインをする前に必ず確認してほしいことや注意点をそれぞれ解説しますので、ぜひ契約時の参考にしてみてください。
賃貸契約書とは?
そもそも賃貸契約書とは、アパートやマンションなどの賃貸物件を借りるために必要な契約書のこと。
借主のために作成されるものであり、借主がその内容を確認して署名・捺印されることで契約成立となります。
賃貸契約書の内容としては主に「賃貸条件」について記載されており、その内容は不動産会社や大家さん、そして物件ごとに異なりますので、「知らなかった」「以前はこうだった」と理解していなかったり勘違いしていると後で大きな問題になることも。
ですので、契約書はしっかりと中身を理解するようにしましょう。
また、賃貸契約書とは別に「重要事項説明書」という書類が渡されるのですが、それは「不動産会社が説明する重要事項をしっかり把握しました」ということをサインで確認するためのものです。
というのも、不動産会社は契約時に借主に対して重要事項説明をすることは宅地建物取引業法に定められている宅地建物取引業において必須となっており、そのサインがないと不動産会社の契約違反となってしまいます。
ですので、重要事項説明書とは別物となることを覚えておくと良いでしょう。
賃貸契約書の確認事項
ここからは賃貸契約書で確認したいポイントについて説明していきたいと思います。
賃貸契約書で特に確認しておきたい項目ですが、
- 物件情報
- 物件設備
- 契約期間や賃料(料金など)
- 管理会社(不動産会社)や大家さんの連絡先
- 借主本人の情報(同居人がいれば同居人情報も必須)
- 連帯保証人(保証会社)
この6点が挙げられますので、順番に説明しましょう。
①物件情報
賃貸契約書の最初の項目では基本的に「建物名」「建物構造」「住所」「部屋番号」「間取り」「工事完了年(築年数)」などの物件情報が記載されています。
物件のいわばプロフィールであり、自分が契約する物件であるか、元々聞いていた情報に誤りがないかをしっかり確認するようにしましょう。
②物件設備
物件情報の下には浴室や洗面台、トイレ、メールボックス(郵便ポスト)、オートロックの有無などの物件設備の情報が記載されています。
細かな設備はネットや写真で見たり内見時に確認していると思いますが、そのときにはあったのに住むときに撤去されてしまっていたり設備として使えないケースも見受けられるため、注意が必要です。
また「残居物」として置かれている場合があり、その物を破損してしまった場合は借主負担で修理や買い替えが必要となりますので、注意が必要です。
なお、備え付けの設備なのか残居物なのか判断するには契約書に有・無と記載されているため、その部分を確認します。
設備と記載されている場合は、故障したときに管理会社や大家さん負担で直してもらえますので、しっかりと確認しておくと良いでしょう。
※借主が故意・過失で破損や故障した場合は全て借主負担で修繕費が必要です。
③契約期間や賃料(料金など)
まず契約期間ですが、この欄でいつからいつまでの契約期間なのかを確認します。
一般的な賃貸契約は2年契約であることが多いのですが、物件によって例外もありますので「突然追い出されてしまった!」なんてことがないように注意しましょう。
また、契約内容は期間が終了するごとに見直しが必要となり、更新か解約(退去)するかを選択できます。
こちらも「期間が過ぎたら必ず解約しなければならない」といった例外があるため、更新ができるのかどうかも確認しておきましょう。
続いて賃料等の欄ですが、ここでは家賃や共益費、敷金・礼金(あれば)、更新料などの金額が確認できます。
また支払い方法(口座振替・振込)や支払期日なども大切な項目なので必ず確認するようにしましょう。
④管理会社(不動産会社)や大家さんの連絡先
賃貸契約書には管理会社や大家さんの連絡先の記載があります。
部屋の設備故障などは専門の対応会社の提示があるかもしれませんが、管理会社への連絡が必要な場合があります。
また、住民トラブルなども考えられますので、連絡先が正しく記載されているか確認しておくと安心でしょう。
⑤借主本人の情報(同居人がいれば同居人情報も必須)
賃貸契約書には借主情報だけでなく同居人情報や緊急連絡先の記載があります。
自分や同居人の氏名、電話番号、年齢などに間違いがないか、万が一何かあったときの緊急連絡先に誤りがないか確認しましょう。
⑥連帯保証人(保証会社)
賃貸借契約書には連帯保証人や保証会社の情報も記載されています。
家賃の振込みが遅れてしまったり未納の場合は保証会社から連絡があったり連帯保証人に連絡がいくので保証会社名や電話番号は確認しておきましょう。
賃貸契約書で把握するべき注意点
ここまでで賃貸契約書で最低限見ておきたい項目についてお話ししました。
その項目に付随して、特に注意してみたいポイントや把握すべきポイントについて5点説明していこうと思います。
①賃料以外の資金
前述でもお伝えしましたが、賃貸契約時や入居後には賃料だけでなく様々な支払いが含まれているため、賃料以外の管理費(共益費)や敷金、礼金、保証金、更新料などの確認は必ずしておきましょう。
基本的には初期費用や家賃引き落としと同じタイミングで支払われるのですが、どの支払いがどのタイミングで支払われるのか、それをしっかり把握しておくと安心です。
②解約時の事前予告期限
解約時の事前予告期限とは、解約(退去)を決めたときに何日前までに申告をしなければならないかの期日のこと。
一般的には退去日の30日前(1ヶ月前)までに管理会社か大家さんに連絡すると定められていることが多いですが、もちろん例外もあります。
退去時にバタバタしてしまったり無駄な家賃支払いをなくすためにも解約予告期限は確認しておきましょう。
③違約金の有無
違約金とは契約違反のときに支払わないといけない損害賠償違約金のこと。
よくある内容として、「短期間で解約をする(契約年数以内に退去してしまう)」と違約金が発生してしまうことがあるため、事前に確認しておきましょう。
④禁止事項
賃貸での禁止事項は必ず確認しておきます。
たとえば楽器演奏やペット不可など、入居中の禁止事項が書かれており、騒音やペットでの住民トラブルに発展してしまう可能性もあるため、把握しておくと良いでしょう。
⑤修繕費の負担割合
賃貸契約にあたって特にトラブルになりやすいものとして、退去時に原状回復負担や敷金の返却規定などが挙げられます。
賃貸契約書にはこれらの規定や費用負担割合に関しても記載されています。
なお、国土交通省のガイドラインでは経年劣化や通常使用での損傷の原状回復費用は借主ではなく貸主が負担すると定められているのですが、稀にガイドラインと異なる内容が契約書の特約として記載されている場合がありますので、必ず確認しておきましょう。
まとめ
賃貸契約書には物件情報だけでなく設備の有無や禁止事項などの様々な重要項目が記載されています。
文章が多くてよく分からない・・・
読むのがめんどくさい・・・
と理解せずにサインをしてしまうと、後々トラブルの原因になってしまう可能性があるのです。
また、悪い不動産会社だときちんと説明がされなかったり、何かあっても「記載されているから」として責任を擦り付けてくる業者もおり、借主本人がしっかりと理解していることでそのような業者からも身を守れます。
賃貸契約時には、ぜひ今回のポイントを押さえて、しっかりと内容を理解した上で安心して賃貸契約に臨んでくださいね。
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