引越し作業の手段として、業者に依頼せずにレンタカーを借りて自分で荷物を運ぶ、なんて話をたまに聞きます。
もちろん費用を抑えられますし、荷物が少ない場合などは手軽に自分のペースで作業ができるので、良い手段といえるでしょう。
ですが、引越しパターンなどによって、いくつか注意しないと業者に依頼したときよりも費用が上がってしまったり、作業が終わらない!なんてことになりかねません。
そこで、引越し作業でレンタカーを利用する場合のメリット・デメリットを解説しますので、レンタカーを使用して引越しを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
引越しに適したレンタカーの選び方
まずは引越し作業に適した車種と目安料金について解説します。
引越し作業をレンタカーで行う場合、小型車での作業は難しいため、なるべく積載量がある車を選ぶこと、そして作業が朝から夕方まで掛かると想定してレンタル時間は12時間で計算してみました。
ここでは「軽バン」「軽トラック」「バン」の3種類をそれぞれ説明していきます。
①軽バン
積載量もある程度あること、そして乗り回しやすさもあるため、近距離や都市部への引越し作業に向いている車種です。
レンタル料金は12時間で平均6500円ほどとかなり低価格で借りれるため、引越し費用を圧倒的に抑えることができるのも魅力。
なお、大型家具や家電がある場合にはオススメできないため、数個のダンボールとテレビなどの中型家具のみの引越しの場合に適しています。
②軽トラック
小回りが利くことや荷台があるためある程度の大型家具も積載できるため、近距離で荷物が多めの方の引越しに便利な車種です。
レンタル料金は12時間で平均7000円程度とこちらも低価格で利用できます。
注意点として、荷台には屋根がないため、雨の日の利用は避けるか万が一利用する場合には防水対策をしっかりした上で利用するようにしましょう。
③バン
軽バンや軽トラックと比べると積載量が1番多く入るため、ワンルーム・1Kほどの荷物であれば1度で全て運ぶことができます。
また、屋根もあるため天候に関わらず作業ができること、そして長距離走行にも適しているため、メリットが多いです。
レンタル料は少し高めで平均13000円程度です。
少し金額が上がってしまうので、荷物量に合わせて検討してくださいね。
なお、バンでも詰めきれない場合には2tトラックを利用しましょう。
引越し作業にオススメしたいレンタカー
では、引越し作業に適しているレンタカーの車種を3つご紹介したいと思います。
いすゞ エルフ
荷物を載せられるスペースが長さ3m10cm、幅1m60cmほどとかなり広いため、ベッドや洗濯機などの大型家具も載せることができます。
なお、小回りはあまり利かないため、運転に慣れていない方で狭い道路へ入るときには注意が必要です。
トヨタ ハイエース
リアシートを折りたたんだときの荷物を乗せられるスペースは、長さは約3mで幅は1m50cmほどありますので、洗濯機や小型の冷蔵庫であれば楽に積むことができます。
比較的運転のしやすさはありますが、こちらも長さがある車種のため小回りはあまりよくないため注意してください。
ダイハツ ハイゼットカーゴ
荷物を載せるスペースが長さ1m80cm、幅1m30cmほどとエルフとハイエースと比べると少し狭いですが、開口部が広いこと、床が低いことなどにより荷物の積み下ろしが簡単なのが魅力。
単身での引越しにピッタリなサイズです。
引越し作業をレンタカーで行う場合の当日までにすべき手順
引越しを自力で行う場合、業者に頼んでいたことを全て自分1人で行わなければならず、また協力者がいたとしても指示出しが必要です。
「何から手をつけたら良いか分からない・・・」という方、安心してください。
ここからは引越し当日までの流れをご紹介していきます。
①引越し日の決定
引越し準備を始める前に、まずは引越し日を決定しましょう。
新しい物件の入居可能日に合わせて設定し、今住んでいる物件の退去日も合わせて決めるようにします。
なお、賃貸物件の退去の場合、退去申請は退去日から最低1ヶ月以上前に不動産会社か大家さんにするのが一般的です。
いつ連絡するかは物件に契約内容によって異なるため、あらかじめ確認しておき早めに連絡しておくと安心です。
②荷物量の確認
引越し日が決まったら引越し準備を始めていきます。
荷物の量や大型家具・家電の有無によってレンタカーの車種も変わるため、ある程度どのくらいの荷物量になるかを確認しておきましょう。
荷造りはかなり時間が掛かるためあまり使わないものから順に少しずつ始めていき、必要なものまで詰めてしまわないように注意してください。
また、家具・家電を捨てたい場合は地域や自治体のゴミ出しルールに従って対応しましょう。
③レンタカーの手配
荷物量の確認まで完了したら、実際に使用したいレンタカーを手配します。
なお、運転に不慣れな方や普段小さな車種を運転している方は事故などの原因にもなってしまいますので、安心して運転できる車種を選ぶようにしましょう。
ほとんどの場合レンタルはWebサイトからできますが、大きな車種を多く所有している会社は少ないため、引越し日当日に確実に手配できるよう早めに予約しておくと安心です。
レンタカーへ荷物の積み込み・利用するときの注意点
普段大型車を運転していたり運転に慣れている方はあまり問題ないかもしれませんが、やはり自分が乗り慣れている車ではないため不安に思ってしまう方もいらっしゃると思います。
そこで、安心して運転するための注意点をご紹介しましょう。
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①荷物はバッグミラーが見えるように配置する
荷台や荷物を詰め込みすぎて運転席からバッグミラーが見えづらくなってしまわないようにしてください。
特に冷蔵庫や洗濯機などは立てて運搬する必要があるため、配置によってはバッグミラーが全く見えなくなります。
あくまで安全第一なので、もし上手く配置できないときは業者にお願いするようにしてください。
②重量を車内で左右均等になるように積む
たとえば片側にはプラスチックの空のケースを置いて反対に重たい家具を載せているなど、車体のどちらかに重心が偏っているとカーブやブレーキでの感覚が変わるため、事故を起こす原因になることも。
また、タイヤが磨り減る原因にもなるため、なるべく重さは左右均等になるように積みましょう。
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レンタカーの乗り捨てサービスを活用しよう!
実際にレンタカーを借りて荷物を新居へ運び終えたら、新居で荷物の片付けや家具の配置などを始めると思います。
しかし、レンタカーを返すのに時間が掛かってしまったり、高速を利用する場合や電車などの交通機関を利用して帰宅してくる場合には費用が発生してしまい、手間になってしまうでしょう。
そこで、あらかじめレンタカーの「乗り捨てサービス」を利用できるかを確認しておくと安心です。
乗り捨てサービスとは元々借りた店舗とは違う店舗へ返却できるサービスのこと。
ですので、旧物件近くでレンタカーを借りて、返却は新物件の近くの店舗へ返すということが可能になります。
なお、レンタル会社によってはこのサービス自体がない可能性があること、そしてサービス利用に料金が発生することがあるため、事前に確認しておきましょう。
レンタカーで引越しをするメリット
レンタカーで引越しすることのメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 引越し費用を抑えることができる
- プライバシーが守られる
- 自分のペースで作業できる
といったメリットが挙げられますので、順番に説明していきます。
引越し費用を抑えることができる
荷物量、移動距離が要因で引越し業者の料金が決まるのですが、特に3~4月の繁忙期には人員が確保しづらい状況であるため、さらに金額が上がることも。
ですが、自身で荷物の積み下ろしや運搬を行うことでこれらの費用が発生しませんので、業者に依頼するよりも圧倒的に安く引っ越すことができます。
しかし、実際に荷物を運び入れるときに壁や床を傷付けないように保護したり、周囲の住民への配慮のためにあまり物音を立てないように慎重に対応しなければなりません。
もちろん壁や床を傷付けてしまうと、退去時に修繕費の費用を請求されてしまいますし、周辺住民とのトラブルに発展してしまうこともあるため、気をつけてください。
また、重い荷物などを運ぶからと友達や知人に協力してもらうと、お礼として食事などをごちそうするなどして結局引越し代より高くなってしまう・・なんてこともありますので、荷物が多くて1人で運べない場合は業者に依頼した方が良いでしょう。
プライバシーが守られる
特に女性の1人暮らしの方にとっては大きなメリットだと思いますが、自分で全て対応するため他人の目に触れることはないためプライバシーが守られます。
というのも、引越し業者へ依頼すると、業者によっては訪問見積もりを行うので家の中を確認する必要があり、中には抵抗がある人もいるでしょう。
業者に依頼すると家の中を見られたり新しい住所を知られてしまうリスクがありますが、レンタカーの利用によってそれらの心配はありません。
もちろん、住所を悪用する業者が多いというわけではありませんが、やはり1人暮らしだと不安な方も多いと思うので、自身でプライバシーを守るためにも良いかもしれませんね。
自分のペースで作業できる
業者依頼だと、特に繁忙期の引越しは希望通りの日程で来てくれないことが多く、また希望日に予約が取れたとしても人手不足などの理由により荷物が手元に届くのが数時間から数日遅れてしまい、予定通りに作業できないことがあります。
新社会人としてもうすぐ出社だ!というときに荷物が届かないなんてことがあったら大変ですよね。
自分で引越し作業を全て行えば、自身である程度スケジュールを組むことができるだけでなく、天候や梱包の進捗などによって日程を変更したり、市区町村での手続きの日程を変えるなどの対応が柔軟に取れます。
また、急な転勤で引っ越さなければならない、賃貸物件で契約の終了期間が迫っているなど急ぎの場合でも、外部手続きはレンタカーの手配のみで完了しますので、簡単に対応可能です。
レンタカーで引越しをするデメリット
レンタカーで引越し作業を行う場合、メリットばかりではありません。
引越しに慣れていないとメリットを感じられないことがありますので、デメリットもしっかりと理解した上で引越し方法を検討しましょう。
荷物や部屋を傷つけた場合などの補償がない
引越し業者でお願いすることによって、荷物も部屋も傷付けずに引っ越すことができますし、万が一破損や傷付いてしまったときには補償してくれます。
どんなに器用な人であっても、引越しのプロである業者とは比べものにならないでしょう。
自分で引越し作業を行うと、荷物や部屋を傷付けてしまっても自分で修繕費を払ったり、購入し直す必要があります。
その損害によっては引越し業者に依頼するよりも大きな出費になってしまうこともあるため、自分で作業する場合には特に注意が必要です。
引越し業者が荷物を破損したのに補償してくれないのはなぜ?標準引越運送約款で補償しなくていいと記載があるのは本当?
大きな荷物や家具を運ぶのが大変
引越しに利用しやすい車種は先程ご説明しましたが、やはり引越し業者のトラックよりも積載量は少なく、事前に荷物の量をきちんと確認しておく必要があります。
きちんと確認したつもりでも確認漏れやサイズなどが異なり荷物を積みきれないこともありますので、そうなると車で何往復もしなければなりません。
体力も使いますし、混雑状況によっては運搬だけで1日が終わってしまうことも・・・。
引越しはただ荷物の運搬だけではなく、必要であれば壁などを保護して、車から荷物を部屋へ運んで、掃除などをした上で荷解きをするため、搬入に手間取ってしまうと予定が大幅に遅れてしまいます。
また、レンタカーの返却が遅れてしまうとその分延滞料金が発生してしまったり、重たい荷物の運搬で体を痛めてしまい病院への通院代など、本来安く済むはずなのに無駄な出費が発生することもあるので、気を付けましょう。
運転は自分でする必要がある
自力で作業を行う場合はもちろん車の運転は自分でしなければなりません。
普段から車の運転をしている人でも、レンタカーだと車種が変わり運転しづらいことも。
また、荷物が重いとその分運転時の感覚が変わりますので、普段の運転よりも難しい場合があります。
また、市内の引越しならまだ大丈夫かもしれませんが、知らない土地を運転することで道に迷って余計な時間が掛かってしまったり、道幅や車幅の感覚が分からずにレンタカーを傷付けてしまう危険性も。
乗り慣れている人もそうでない人も、細心の注意を払って運転する必要があります。
引越し業者にお願いするメリット
ここまではレンタカーで引越し作業をするメリット・デメリットを解説しました。
理解できたところで、安全・安心して引越したい場合には引っ越し業者にお願いすることが1番だと思いますので、引越し業者にお願いすることのメリットもご紹介します。
プロに任せられる
これまでお伝えしたとおり、引越し作業にはただ荷物を運ぶだけではなく様々な作業が必要です。
その細かな作業も含めて、プロに任せられるということが1番のメリット。
やはり業者は引越しに関しては素人よりも詳しいので、自力で行うよりも効率良く安全に運んでくれるのです。
また、自力で作業するよりも時間的にも余裕ができますので、荷物を運び入れてもらう前に簡単に掃除をしたり、ダンボールの置き場所を業者に指示して中身を片付ける作業を効率的に行えたりします。
引越し作業は荷物を運び入れて片付けるだけでなく、市役所などでの手続きが必要だったり、ガスや電気の立会ったりとやることがたくさん。
だからこそ、その一部をプロにお任せすることで効率良く行えることで新生活も安心してスタートできるのです。
建物や荷物の補償が整っている
自分で荷物を運ぶ場合、重たいものをたくさん運んだり、大型家具を運んだりするので、物を壁や床に落としたり擦ったり、最悪の場合物や建物の一部を壊してしまう可能性も。
しかし、引越し作業のプロである業者に任せれば荷物を運び入れる作業には慣れていますし、ぶつけそうな箇所をあらかじめ保護するなどの養生もしっかり行うため、心配ありません。
ですが、万が一業者が運び入れるときに破損や傷ができてしまったとしても、多くの業者が国土交通省が定める「標準引越運送約款」に則り補償してくれますので安心です。
業者に任せれば建物や荷物の破損の可能性が大幅に減ること、万が一破損しても補償してくれることから、結果としてリスクを避けられるだけでなく費用を抑えられる可能性もあります。
サービスが充実している
業者によって異なりますが、たとえばハンガーに掛かっている服をそのまま運べるハンガーボックスや布団梱包用の袋をレンタルできたり様々なサービスがあり、それを利用することでさらに効率的に引越し作業が行えます。
また、引越し業者と契約時には基本的に業者からダンボールがもらえるだけでなく、片付け終わったダンボールを回収してくれるサービスがあるため、無駄なゴミもなくなります。
他にも有料オプションですが自動車やピアノといった大型で特殊な荷物の運搬をお願いできたり、テレビやエアコンの付け外しをお願いできたりと様々なサービスが利用でき、上手く活用すれば効率的かつ安心して引越し作業を行えるのです。
まとめ
いかがでしたか?
自分で引越し作業を行うためにレンタカーで運搬するメリット・デメリットやオススメの車種について解説しました。
不慣れな作業で様々なサイズ・重さの荷物を運ぶため、破損・作業の遅れといった予想外のトラブルが起こってしまうことも。
安心して安全に引越しを終わらせたい方は、やはり自力ではなく業者に依頼することをオススメします。
新生活を安心してスムーズに迎えられるように、自分に合った引越し方法を探してみてくださいね。
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