あなたも経験がおありかと思いますが、引越しをするには時間も手間もかかりますよね。
しかし、それよりなによりかかるのは、お金です。
そのため、誰もが「なるべく安くすませたい」と思うのが当然ですよね。しかし、あなたは知っていたでしょうか?
「引越し料金は交渉することで価格が大きく変わる」という事実を。
うまく交渉をすれば、最初に聞いた見積額で提示された金額から大幅に割引された価格で引越しができるとしたら、手間と時間がかかる引越し作業も、少しは気が紛れるのではないでしょうか?
ここでは、「交渉なんてしたことがないし強気に出るのは苦手」という方から、「なんでも買う前にはまず値下げ交渉をする」という方まで、幅広い層の方に活用していただける交渉術をご紹介します。
交渉を有利にすすめるコツとは
まず行なうべきことは見積りを複数業者からとる、いわゆる「相見積り」です。
特に「最安値まで値切りたい」と思われる場合などは、依頼する手間はかかるものの、対面での見積り依頼の提出を少なくとも3社以上に求めることをおすすめします。
依頼する業者の数が多ければ、それだけで各社間での価格競争を誘発でき、結果的に引越し料金が安くなるからです。
その際は、規模・知名度・価格等ができるだけ多岐にわたるような引っ越し業者に声をかけるようにしましょう。
例えば、大手引越し業者ばかりに声をかけることにはあまり意味がありません。
せっかくたくさんの数に声をかけたとしても、それらの業者から出た見積りの金額に大きな差が出ることが期待できないためです。
あなたが本気で値切りたいと思うならば、大手以外にも、地域密着型で営業している小さな引越し業者や、大手とは言わないまでも名前を聞いたことがあるような中規模の引越し業者など、幅広い引越し業者に声をかけるように心がけてください。
「見積り金額にばらつきをつくる」ということを意識しながら業者選定をすることで、交渉の材料にしやすい見積り書を揃えることができるでしょう。
交渉の前に準備しておくこと
では、対面見積りを依頼するとして、具体的にどんな準備をするべきでしょうか。
実際に見積りを行なうのは引越し業者なので、依頼する側が何を準備するかなんて、想像がつかないかたもいるかもしれません。正直、せいぜい整理・掃除ぐらいと思われる方もいるでしょう。
しかし、あなたが今回徹底して値切りたいのであれば、それなりの準備をしておく必要があるのです。それはなにか。引越しに関する資料作成です。
- 搬出品の選定とそのリスト化(大型荷物かどうか、梱包を自分でやるか任せるか)
- 荷物の搬入先に関する詳細情報(運び入れる部屋は何階か、エレベータの有無など)
- 搬入先の外観写真ならびに地図(あれば望ましい)
- その他(オプション料金に関する質問や、業者に注意してほしい点等)
上記のように、荷物の搬入先に関する情報・搬送する大型荷物の一覧など、できるだけ詳細な情報を引越し業者に提供してください。
その際、引越し先の写真まで揃えて提供できれば文句なしですが、そこまでできなかったとしても、Google Mapなどを利用して周辺地図と建物の外観の情報だけでも準備しておくとよいでしょう。
その他、オプション料金などに関する疑問点や、依頼した際に注意してほしい点や要望などをまとめておき、引越し業者の担当者はそれらのリストと現場さえ確認すれば事足りるような状況にしておきましょう。
そうすることで、営業担当は「言った言わない」の水掛け論になりがちなトラブルを回避することができるため、もしものことを考えての高めの見積り額を提示してくることなく、最初から本音の見積りを出してくれることでしょう。
手慣れている風を装うのがポイント
事前に、よくある引越しの流れ、荷物搬出・搬入時の諸注意など、引越しに関する情報をインプットしておきましょう。
前述したように、業者が知りたいであろう事項をとりまとめておくことも効果的です。
こうして「この人はちょっと違う」という印象を見積り業者に与えることで、値下げ交渉を有利に進めることができます。
具体的な交渉方法5選
それでは、いよいよ値下げ交渉の方法をお伝えします。いくつかのパターンがあるので、読んでいただき、自分にあった交渉術を採用してください。
- 相見積りの提示
- 対面見積りでの価格競争を誘導
- 即決カードの切り方
- 心理戦で値下げしてもらう方法
- 対面見積りで競わせる方法
その1 相見積りによる無言の圧力
見積りは、今やネットで簡単に行なえます。
そこで活用したいのが、複数社から一括で見積り書をとることができる「一括見積りサイト」の利用です。
このサイトを利用して見積り書を入手することは、すなわち「今回の声掛けは相見積りをとっていますよ」と各引越し業者に公言するようなものですよね。
この方法は、交渉に慣れていないひとや、強気に出るのが苦手なひとなどにおすすめです。
くりかえし記載しますが、引越しの価格交渉においては相見積りは必須です。
1社にしか見積りを依頼をしていない状態で「高いからもっと安くして」と言ったところで、引越し業者としては他に競争相手がいない以上「値下げは応じられません」の一言で片付けてしまうことでしょう。
このように「複数社で見積りをしているぞ」という状況を伝えることで、引越し業者から正味の見積り価格を引き出すことができます。
相見積りであることが明らかであれば、引越し業者は最初から他社と競い合う前提の見積金額を提示してくれるため、あえて「相見積り」を口にする必要もなくなります。
その2 対面見積りによる価格交渉の誘発
あなたが交渉が得意なら、複数社の対面見積りを依頼し、先ほどお伝えした交渉術で徹底的に値下げをあおるのも良いでしょう。
というのも、相見積りであるのかそうでないのかは、引越し業者が提示する金額に大きな影響を与えるからです。
まずは1社目の対面見積りの日を決め、見積りしてもらいます。
その際のポイントは「相見積りになる」ことをしっかり伝えることです。
それを聞いた1社目の引越し業者は、限界ではないにせよ、それなりに安い金額を提示してくるでしょう。
そして、そのうえで「即決ならさらに安くします」と言ってくるはずです。
しかし、その言葉に乗ってはいけません。
「なるほど、まだ値下げできる幅を残した価格を提示してきてるんだな」くらいに思っておくのが望ましいです。
次に、対面見積りを3社に依頼したケースを例として、5つのステップで説明します。
最初に取得した1社目の見積金額を交渉材料にして、2社目の見積りを行ないます。このときに、1社目の具体的な金額は伏せつつも「1社目の方が安かった」と2社目にプレッシャーを与えましょう。
そうして値下げ対応せざるをえなくなった2社目は、確実に1社目よりも低い見積り金額を提示してくるはずです。その見積り金額を材料に、同じ手法で3社目の見積り金額を下げてもらいます。
最後の業者から見積り提出を受けたら、1社目との交渉に戻ります。「他社はこれだけ低い金額なんだけど」と伝え、さらなる値下げへと誘導しましょう。この段階で、すでに1社目の見積り価格は最初に提示した額より数万円下がっていることもよくあります。
あとは、これを繰り返すのみです。何度繰り返すのか、どこまで続けられるかは腕次第ですが、このループ作戦を行なうことで、確実に限界まで見積り金額を下げさせることが可能になります。
さあ、決断の時です。実際に依頼する引越し業者の選定を行います。
他社がここまで下げてきましたが、御社はどうしますか?
と値下げ交渉を行なったとしても、そろそろ限界が近づいている業者も出てきていることでしょう。
まだ値下げが可能であれば値下げの提案をもらえますが、
これ以上は無理です
との返答があるかもしれません。
しかし、たとえ「これ以上はどう言われても無理です」と返されたとしても、「もう1社ほぼ同額のところがあって悩んでいる」「心情的には御社にお願いしたいのでもう一声」と最後のひと押しをしましょう。
その一言で、値下げ自体は限界であったとしても、代わりにオプションをつけてくれたり別のサービスを提案してくれたりと、値下げ以外の付加価値を提案してくれるかもしれません。
以上のように、値下げ交渉で大切なのは、何をおいても「粘り強さ」と言えます。
交渉するには、労力と時間とがかかりますが、それに見合うだけの価値は十分にあるのです。
直接交渉に自信のある人は、ぜひ一度、対面見積りを利用した交渉にトライしてみてください。
あらかじめ狙っている引越し業者がある場合についても、相見積りをとることは必須です。
その際、1社目ではなく3社目か4社目として対面見積りを依頼しましょう。そうすることで、狙っていた引越し業者と一番安い金額で契約ができる可能性が高まります。
その3 「即決カード」をの切り方
「即決」カードとは?
「即決」カードとは
もう一声、あと少しだけ安くしてくれたら即決します!!!
という、交渉時において最終段階で取り出す伝家の宝刀です。
このカードは非常に強力で、相見積りをしている状態であれば、ほとんどどの会社においても見積り金額を下げることが可能です。
交渉が得意な人は、切り札としてこの「即決カード」を切るのをできるだけ先送りにしましょう。逆に、引越し業者から即決価格を提示されたとしても、この時点では無視してください。まだ先があるからです。
逆に交渉が苦手な方は、早い段階で切ることも有効です。
本来ならば、複数社の見積り対面を行ない、前述の交渉術を繰り返したうえで「とどめの一言」として使用するものですが、あまり交渉が得意ではなく、相見積りの金額で満足している人には「即決カード」を早い段階で使ってもよいでしょう。
強力かつ有効な手段ですが、この方法は交渉の上手・下手が出やすいことに注意しておく必要があります。
交渉慣れしていない人が、不自然な流れで強引に値下げをさせようと粘ると、引越し業者との空気感が微妙なものになりかねない危険性をはらんでいます。
こちらの要望どおり最安値を提示してくれたとしても、引越し当日に相手方にモヤモヤした思いが残ったままだったならば、いくら最安値で決着したとしても、あまり気持ちのいい引越しができないかもしれません。
こちらの我を通すばかりが正解ではなく、時にはある程度妥協して「それでお願いします」という潔さも大切です。
その4 交渉が苦手な人がとるべき手段
「自分は交渉が苦手だ」という人、あるいは「面倒な駆け引きはしたくない」「そもそも引越しまでに時間がない」というような場合に使えるとっておきの方法があります。
それは、真っ向から「価格交渉はしません。最低額を提示してくれたところで決定します」と最初に宣言することです。
ここでいう「最低額」とは、一括見積りサイトで算出された見積り金額のことではなく、対面見積りなど個別に依頼した正式な見積り金額を指します。
このように、価格交渉をするつもりがないと最初に宣言することは、引越し業者にとっては「後出しでの値下げができない」という縛りになります。
こう言われると、引越し業者は最初から可能なかぎりの最安値を提示する以外なくなることでしょう。これもまた、最初から最高の見積りを出してもらうための心理戦です。
メリットは、粘り強く交渉してくる引越し業者のセールストークを「はじめに宣言したでし」とはねつけることができるので、大幅に時間短縮できることです。
一方、デメリットは、思ったよりも価格が下がらなかったときでも受け入れざるをえないことです。自らで退路を断つことによるメリットとデメリットを理解して、有効に用いましょう。
値下げ交渉における注意点
これまで、対面見積りの際の交渉術について詳しく説明してきました。しかし、忘れてはいけません。
引越し業者の営業の方もまた、交渉のプロなのです。場合によっては、こちらが優位に立とうと思っていても、気がついたらあちらが優位に話を進められていたということにもなりかねないのです。
ここからは、引越し業者の方の口車に乗せられないために気をつけておくべきことについて解説します。値下げ交渉で気をつけることは以下の3点です。
- 相場価格をある程度把握しておく
- 相手の提案が魅力的でも即決はしない
- 引き際を見極める
相場価格を把握しておくこと
どれだけ値下げ交渉を続けたとしても、実際どのくらいの価格まで下がればお得になったのかを判断するのは困難です。「引越し作業」というサービス行為に価格をつけているため、定価というものが存在しないからです。
そこで重要になってくるのが、引越し費用の「相場」の把握です。
いくら定価が存在しないとはいっても、日毎に金額が変動するようなものではありません。
時期・荷物の量・移動距離などで、「だいたいこれくらい」という相場は自ずと決まってきます。
特に、時期的な影響は非常に大きいため、引越しを繁忙期(3~4月)に行なうのかそれとも閑散期(5月~2月)に行なうのかは重要です。
いずれにせよ、自分が依頼しようとしている時期の引越し価格の相場については、ざっくりとでも把握しておくようにしましょう。
たとえば、ファミリー規模の引越しの場合
家族2~3人が同一県内での引越しを依頼する場合、6~7万円程度が相場となり、10万円を超えると高いと考えて支障ないでしょう。一方、繁忙期(4~5月)に同条件で依頼する際には、10万円は必要経費であるといえます。
相手の提案が魅力的でも即決はしない
最も注意しなくてはいけないことは、引越し業者側からの営業トークです。
たとえば、「即決してくれるなら●●円まで下げます」などのように、こちらの即決を迫ってくるパターンになります。
仮に提示額がこちらの予算内に収まっていたり、予め調べていた相場価格よりも安かったりした場合は、あるいは即決してもいいかもしれません。
しかし、比較見積りをとってみると「同日で他社のほうが実は安かった」という可能性も考えられます。
そのため「即決してくれた安くします」という言葉にはすぐに乗ることをせず、ある程度は他の引越し業者の動向にも注目しましょう。あくまで交渉は「自分優位となるように」を念頭において行なうことが重要です。
引き際を見極める
「即決カード」についての項でも触れましたが、とにかく安くしようとしすぎるあまり、強引な交渉をやりすぎるのはNGです。
引越し業者もプロですから、引越しを請け負うのに最低限の利益を確保する必要があります。
そのため、無理難題を押し付けるお客だと思われると、交渉のテーブルについてもらうことさえできずに断られてしまいかねません。
こちらにとって引越し業者が複数社あるのと同様に、引越し業者から見てもお客はあなただけではないのだ、ということを忘れないようにしましょう。
結論:値下げ交渉は粘ったもん勝ち
ここまで読んでこられた方であれば、もうおわかりでしょう。
引越しにおける値下げ交渉とは、一言でいうと「粘ったもん勝ち」です。
適切な準備をし、相手の出方と自分の引き際を見極め、そのうえでギリギリの線を攻めていく。その結果、当初提示された見積額から数万円単位で金額が変わるのが、値下げ交渉の醍醐味なのです。
最後に、これまでの手法を復習して終わります。
交渉が苦手な方は、 引越し一括見積りサイトを活用して相見積りを入手するか、対面見積りの際に「即決カード」を使いましょう。
交渉にチャレンジされる方にとっては、相見積りは必須条件です。
複数業者からの相見積りを、交渉の材料として用意しましょう。
そして、その材料を武器に対面見積りに臨み、具体的な金額交渉を行ないます。交渉中に「ここらあたりが限界かも」感じたらキッパリと交渉を成立させ、その後は気持ちよく引越し作業に進んでもらうことが大切です。
無事、気持ちよく引越し作業が終わったあとは、「また機会があれば御社を利用したい」と安くしてもらった感謝の気持ちを伝えましょう。
以上、引越しにおける値下げ交渉についてお伝えしました。今回の交渉術が、引越しを間近に控えていらっしゃるであろうあなたのお役に立つならば幸いです。
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