「賃貸マンション・賃貸アパートへの引っ越しに掛かる初期費用を抑える方法として、フリーレントを活用した方がいい」と聞いたことはありませんか?
フリーレントとは、一定期間家賃が無料となる契約です。しかし次のことが気になり、「フリーレント付きの物件を選ぶことが怖い」と感じている方もいるでしょう。
家賃が無料になる仕組みがわからない
家賃が無料になる代わりに、大きなデメリットがありそう
本記事では、フリーレントの仕組みやメリット・デメリット、フリーレント付きの賃貸マンション・賃貸アパートを契約した方の声、フリーレント付きの賃貸物件を探す方法を解説します。
引っ越しの初期費用を抑えたい方、フリーレントに興味のある方はご一読ください。
賃貸マンション・賃貸アパートのフリーレントとは
フリーレントとは、一定期間の家賃が無料になる契約です。賃貸借契約書で合意した条件を守った場合、家賃を支払う必要がなくなります。
しかしフリーレント物件には家賃が無料となる一方で、違約金が発生するなどのデメリットもあります。「家賃無料」に釣られて賃貸マンション・賃貸アパートを契約してから後悔しないように、フリーレント物件の基礎知識と家賃無料の仕組みを知っておきましょう。
フリーレントの基礎知識
フリーレントとは、大家や不動産管理会社と合意した一定期間の家賃が無料になる契約です。無料期間に法的な決まりはありません。1・2ヶ月間の家賃が無料となったり、契約日から入居日まで日割り家賃が無料となったりなど、物件によりさまざまです。
ただし短期解約など賃貸借契約書で合意した条件を反故にした場合、以下のデメリットが生じることがあります。
- フリーレント期間の家賃を支払う
- 違約金が発生する
また詳しくは後述しますが、フリーレントで無料となる費用は家賃だけで、管理費や駐車場代など家賃以外の費用は、無料とならないことが一般的です。
家賃が無料になるフリーレントの仕組み
賃貸借契約書で合意した条件を守ると、家賃が無料になるフリーレントに対して「賃貸マンション・賃貸アパートの借主にだけメリットがあり、裏があるのではないか」と考える方もいるでしょう。
賃貸マンション・賃貸アパートにフリーレントを付けてまで集客する理由は、大家側にもメリットがあるからです。
一般的に賃貸物件の入居者が決まる時期は、引っ越し業界の繁忙期である1月〜3月または9月から10月といわれています。そのため繁忙期に入居者が決まらないと、6ヶ月〜1年間も空白期間が生まれ、家賃が入ってきません。
大家は長期間の空白期間が発生するよりも、1・2ヶ月のフリーレント期間を設け、入居者を確保したいと考えます。
賃貸マンション・賃貸アパートをフリーレント付きで借りるメリット2選
フリーレントが付いている賃貸マンション・賃貸アパートを借りるメリットは、家賃が無料になるだけではありません。以下2点もフリーレント付きの物件を借りるメリットです。
- 賃貸物件の二重家賃が発生しない
- 引越しのタイミングを柔軟に決めやすい
この2点について詳しく解説していきます。
賃貸物件の二重家賃が発生しない
賃貸物件から賃貸物件に引っ越しをする場合、旧居の退去時期と新居の契約時期によっては家賃を二重に支払わなければなりません。数万円〜以上の出費となるため、非常に負担が重いです。
しかし新居にフリーレントが付いていると、旧居の家賃だけを支払えばよいため負担が軽くなります。引っ越しなどを伴う新生活は、賃貸物件の初期費用以外にも家具の買い替えなどで出費が大きくなりがちです。
フリーレント付きの物件を選ぶことで、賃貸物件の二重家賃が発生しないため、お金が掛かる新生活の負担を減らせます
引越しのタイミングを柔軟に決めやすい
先述した通り賃貸物件から賃貸物件に引っ越しをする場合、引っ越しのタイミングによっては、旧居と新居の両方で家賃が発生します。新居にフリーレントが付いておらず、二重に家賃を支払いたくない場合は、シビアに引っ越しのタイミングを決めなければなりません。
しかしフリーレントが付いている賃貸マンション・賃貸アパートを借りると、引っ越しのタイミングは、柔軟に決めることが可能です。またフリーレントが付いていると、旧居と新居で賃貸契約期間が被っている間に余裕を持って、引っ越し作業を行えます。
さらに引っ越し業者の手配も余裕を持って決められるため、引っ越し業者への費用や日程などを妥協することがなくなるでしょう。
賃貸マンション・賃貸アパートをフリーレント付きで借りるデメリット・注意点4選
フリーレントには一定期間家賃が掛からないメリットがあります。一方で「何かデメリットや注意点はないのか」と気になる方もいるでしょう。
フリーレントのデメリットと注意点は4つあります。その4つは以下の通りです。
- 短期解約には違約金が設定されている可能性がある
- 相場より家賃が割高に設定されていることがある
- 家賃以外の費用はフリーレントの対象外となっている
- 問題が隠されていることがある
短期解約には違約金が設定されている可能性がある
大家や不動産管理会社がフリーレントを付ける目的は、一定期間家賃を無料にしてでも長期入居者を確保するためです。そのためフリーレント付きの賃貸物件には、短期解約に対して違約金を定めていることがあります。
例えば、次のように2年以内の解約には違約金が発生することが一般的です。
- 1年以内の解約には家賃2ヶ月分の違約金
- 2年以内の解約には家賃1ヶ月分の違約金
また物件によっては、フリーレント期間に無料としていた家賃の支払いを求められることもあります。上記の理由から、長期で住むつもりのない方や短期で転勤を繰り返す方には、フリーレント付きの物件はおすすめできません。
相場より家賃が割高に設定されていることがある
賃貸物件によっては、家賃が周辺物件よりも割高に設定されています。周辺物件よりも明らかに家賃が割高な場合、フリーレント付きの物件を借りる方が費用負担が大きいです。
例えば家賃が10,000円上乗せされていた場合、1年間で12万円(10,000円×12ヶ月)、2年間で24万円(10,000円×24ヶ月)も多く、家賃を支払わなければなりません。
家賃が適正なのかを調べるためには、周辺物件の家賃の確認が必要です。物件検索サイトで下記の条件が似ている物件の家賃を調べましょう。
- 間取り
- 築年数
- 駅までの距離
3〜5物件の家賃を調査して、金額に大きな差がなければ、家賃の上乗せはされていないと考えて問題ないでしょう。
家賃以外の費用はフリーレントの対象外となっている
フリーレントの対象は家賃のみであることが一般的です。フリーレント付きの物件であっても管理費や駐車場代などの家賃以外の費用は、賃貸契約が始まった月から支払わなければなりません。
契約前には、賃貸借契約書に記載されているフリーレントの対象となる費用は、必ず確認しましょう。
またどうしても初期費用を抑えたい場合は、大家や不動産管理会社への交渉も1つの方法です。家賃以外の費用が、フリーレントの対象に認められることは少ないですが、物件によってはフリーレントの対象にできることがあります。
問題が隠されていることがある
基本的にフリーレントが付いている物件は、入居者を集めにくい物件です。入居が集まらないことには、以下のような原因が考えられます。
- 競合のマンション・アパートが多い
- 事故物件
- マンション・アパートの住民に問題がある
競合のマンション・アパートよりも魅力的に条件を出すために、フリーレントを付けている場合は問題ありません。しかし事故物件や住民に問題があって、フリーレントを設定している物件には注意が必要です
特に以下の住民が住んでいないかは、入念に確認しましょう。
- 空き部屋の隣人が神経質
- 夜中まで騒ぐ住民が多い
- ゴミ出しなどのマナーが悪い
一般的にマンションやアパートの住民に問題があり、早期解約した場合でも、違約金は発生します。早期解約すると違約金だけでなく、新居への引っ越し代や初期費用も追加で掛かるため、非常に費用負担が大きいです。
そのためフリーレント付きの物件に住む場合は、改めて夜に様子を見る、大家や不動産管理会社へ住民の様子を確認するなど、住民の質を調査することをおすすめします。
フリーレント付きで賃貸マンション・賃貸アパートを契約した方の声
「実際にフリーレント付きの物件を契約した方の意見を知りたい」と、考える方もいるでしょう。フリーレントに満足した方の声と後悔した方の声を集めてきました。
フリーレントに満足した方の声
「工事待ちの期間に家賃が、発生しないため嬉しい」との声がありました。通常、早期に契約してしまうと、新居を使用していなくても家賃は発生します。
しかしフリーレント付きの物件は、契約条件に依りますが入居までの家賃を無料にでき、入居時に掛かる費用を抑えることが可能です。
「30万以上は初期費用抑えられる」との口コミもありました。投稿者は、家賃以外にも鍵交換や抗菌代まで無料となっており、大幅な初期費用の削減に成功しています。
大家や不動産管理会社との交渉次第では、同じように家賃以外の費用を無料にすることも可能です。
フリーレントで後悔した方の声
「短期解約をした原因が隣人の騒音が原因のため、違約金の発生に納得できない」との声もありました。一般的にフリーレント付きの物件は、解約の原因に関係なく短期解約すると違約金が発生します。そのため、住民の質など事前に気になる箇所は入念に確認しましょう。
フリーレント付きの賃貸マンション・賃貸アパートを探す2つの方法
フリーレントが付いている賃貸マンション・賃貸アパートは、以前より認知されていますが、まだまだ物件数は少ないです。
フリーレント付きの物件で、初期費用を抑えたい方に向けて、フリーレント物件を探すコツを紹介します。
閑散期に探す
フリーレント設定されている物件は、長期間入居者がいない物件や繁忙期に入居者が決まらなかった物件がほとんどです。
そのため、不動産業界の繁忙期の1月〜3月または9月から10月を避けて、賃貸物件を探すことをおすすめします。
大家・不動産管理会社に交渉する
フリーレント付きの物件が見つからなかった場合は、大家・不動産会社への交渉も1つの方法です。ただし交渉する際は、大家や不動産会社があなたにフリーレントを付ける以下のようなメリットを説明しましょう
- 最低3年は住む
- フリーレントを1ヶ月付けてくれれば、即決する
最も言ってはいけない言葉は「フリーレントを付けてくれるのであれば、検討します」です。「検討します」ではあなたの熱意は伝わらない上、冷やかしだと思われる可能性もあります。
交渉を行う上で重要なことは、大家や不動産管理会社へのメリットを説明し「あなたのマンション・アパートに住みたい」と熱意を持って伝えることです。
まとめ:フリーレント付きの賃貸マンション・賃貸アパートを探して初期費用を抑えよう
本記事では、引っ越しの初期費用を抑えられるフリーレント付きの賃貸マンション・賃貸アパートの概要、メリット・デメリット、利用者の声や物件の探し方について解説しました。
フリーレント付きの物件は、一定期間の家賃を無料にできるため、旧居と新居で家賃が二重に発生しない、引っ越しのタイミングを柔軟に決められるメリットがあります。
しかし短期解約をしてしまうと、違約金の発生や無料期間の家賃の支払いを求められるなどのデメリットもあるため、注意が必要です。
引っ越しの初期費用を抑える目的でフリーレントを検討している方は、本記事を参考にフリーレントを上手に活用してください
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