- 賃貸住宅の違約金ってどんなときに発生するのか知りたい
- 賃貸住宅の違約金は必ず払わなければいけないのか知りたい
こんな風に思っていませんか?賃貸住宅を退去する際は、わからないことが多くて不安になりますよね。
今回は賃貸住宅の違約金について
- 設定されている理由
- 金額の目安
- よくある質問
を解説します。5分程度で読めて、賃貸住宅の違約金のことがよくわかるように解説します。スムーズに退去をすすめられて、不安なく新しい生活を始められるようになりますので最後までご覧ください。
賃貸住宅の違約金とは?
賃貸住宅の違約金とは、「契約期間」を守れなかったときに、支払い義務が発生する費用のことです。契約期間とは、貸主(大家さんや管理会社)と借主(入居者)が交わす賃貸借契約書に記載されている期間のことです。
たとえば「2022年4月1日〜2024年3月31日」の記載がある賃貸借契約書は、基本的にこの期間は途中解約できません。というのも、この期間も含めた契約書を結んでいるため、途中で解約することは契約違反になるためです。
スマホやWi-Fiの契約でも契約期間があらかじめ決められていることがあります。更新時以外に解約や乗り換えをすると違約金が発生する、いわゆる「〇年しばり」も同じルールです。
賃貸住宅の契約でも同じように、事前に決められた契約期間の途中で解約をすると、違約金が発生する場合があります。
ただし契約書に、途中で契約を解約するための解約条項が記載されている場合、その条項に従って契約を解約できます。解約条項とは、以下のような文言のことです。
解約申入れの日から30日分の賃料(本契約の解約後の賃料相当額を含む。)を甲に支払うことにより、解約申入れの日から起算して30日を経過する日までの間、随時に本契約を解約することができる
(「国土交通省/賃貸住宅標準契約書」より引用)
賃貸住宅に入居する際は賃貸借契約書をよく読み、違約金に関する内容と、契約期間と解約条項が書かれているかを確認しましょう。
そもそも賃貸住宅の違約金が設定されている理由
賃貸住宅の契約に違約金が設定されている理由は、入居者がすぐに退去するのを防ぐためです。
貸主は礼金を0円にしたり家賃を相場よりも安くしたりして、好条件で入居者を募集することがあります。フリーレント契約ができる物件として売り出し、空室対策をすることも少なくありません。
フリーレント契約とは、一定期間家賃を免除する契約のことです。家賃の金額を変えることはほかの入居者もいますので難しいかもしれませんが、数か月分の家賃を免除することで入居率を上げられます。
しかし、通常よりお得に入居したのにすぐに退去されると、貸主は困ってしまいますよね。退去時にはクリーニングのコストがかかりますし、新しく入居者を探すための宣伝コストも高まります。
好条件で入居してもらうかわりに制約を設けて、少しでも長く住んでもらうためのルールが違約金です。言いかえれば入居者が長期で住む予定なら、入居のための初期費用がおさえられるという考え方もできます。
上手に活用すれば、貸主と借主、双方にとってメリットがある仕組みといえます。
違約金がある賃貸借契約を終了する方法
転勤や結婚、子どもの成長など家庭環境の変化により、住んでいる物件を退去することは少なくないと思います。退去が決まったらすぐに、契約を解約したい意思を貸主に伝えましょう。
適切なタイミングを逃すと、不要な違約金を支払うことになる可能性もあります。ここでは、賃貸借契約を終了する方法を3つ紹介します。
契約期間の満了時に解約する
賃貸借契約書に記載されている、契約期間の満了時に解約する方法です。契約更新の時期になると、管理会社や大家さんから契約更新に関する通知が届きますので、契約終了の意思を伝えましょう。
通知に同封されている「解約通知書」に必要事項を記入して、期日までに貸主に送ります。郵送の際は、確実に書類が届いたか確認できる方法を選びましょう。
入居者から契約終了の意思を伝えなければ、契約が自動更新されるケースもありますので注意してください。契約を終了したいと思ったら、まずは賃貸借契約書の解約に関する部分をよく確認することをおすすめします。
予告期限までに事前通知する
解約条項とは、
乙は、甲に対して少なくとも30日前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解約することができる。
(「国土交通省/賃貸住宅標準契約書」より引用)
のように、解約できる条件のことです。
国土交通省が作成した「賃貸住宅標準契約書」にあわせて、多くの契約が30日前の申入れを条件にしています。まれに2ヶ月前としている契約もありますので、自分の契約書を確認してみてください。
解約通知書は、契約時に渡される書類一式に入っていることがあります。もし手元になくても、管理会社のホームページからダウンロードできないか調べてみましょう。最悪の場合、管理会社に問い合わせれば郵送してもらえます。
解約条項に書かれている条件を満たす
解約条項に書かれている条件を満たすことで、賃貸借契約を解約できます。契約書に以下のような文言がないか、確認してみてください。
解約申入れの日から30日分の賃料(本契約の解約後の賃料相当額を含む。)を甲に支払うことにより、解約申入れの日から起算して30日を経過する日までの間、随時に本契約を解約することができる。
(「国土交通省/賃貸住宅標準契約書」より引用)
この場合だと、30日分の賃料を貸主に支払うことが解約の条件です。契約期間が2年と定められていても、条件を満たすことですぐに契約を解約できます。
賃貸住宅の違約金の金額目安
賃貸住宅の違約金の金額は、賃料の1ヶ月分がほとんどです。国土交通省が作成した、賃貸住宅標準契約書に沿って作られているためです。
ただし計算方法には物件によって違いがあったり、上限があったりしますので自分の契約内容を確認してみましょう。
月割り計算と日割り計算がある
違約金の計算方法は、契約する物件によって異なりますので注意が必要です。日割りと月割りの、どちらの計算方法を用いるかは契約書に書かれています。
計算方法は半月割りを用いているケースや、入居時は日割り、退去時は月割りで計算するなどさまざまですのでよく確認してください。
日割り計算の例
10月15日に解約通知をした場合、11月14日までの日割り家賃を支払います。日割り計算の場合は、退去したい日までの家賃を支払いますので納得感のある解約ができます。
月割り計算の例
10月15日に解約通知をした場合、11月末までの家賃を支払う必要があります。たとえば11月15日に引っ越しが決まっている場合は、住んでいなくても約半月分の家賃を支払うことになります。
さらに解約予告を忘れていて11月1日になってしまった場合は、12月末までの家賃を支払わなければいけません。退去の意思が決まったら、忘れずに連絡しましょう。
賃貸住宅の違約金には上限がある
国土交通省が定めた「賃貸住宅標準契約書」の違約金は、「30日分の賃料」とされています。ほとんどの賃貸借契約書が、この金額を参考に違約金を定めています。
過去には違約金に関する裁判がおこなわれたこともあります。2ヶ月分の賃料を違約金として定めていた契約に関して、
- 多くの契約の違約金が1ヶ月(30日)分
- 1ヶ月は、次の入居者を探すまでの所要時間として一般的
として、1ヶ月分を無効にするという判決がでたこともあります。
また一般的には、貸主が企業で、借主が個人というケースはよくみられると思います。その場合は「消費者契約法」の観点から、借主(入居者)に不利益があるような条項は無効になる可能性もあります。
賃貸住宅の違約金に関してよくある質問
賃貸住宅の違約金は、金額や事前に通知する期間がおおむね決まっています。ただし通知方法や解約する理由など、ケースバイケースで対応しなければいけません。
ここでは、賃貸住宅の違約金に関してよくある質問を紹介します。
解約通知は電話でもいい?
解約通知は、解約通知書でおこなうのが一般的です。入居時に渡される一式書類に入っている場合もあります。
もしも手元に解約通知書がない場合は、管理会社などに問い合わせてみましょう。スムーズに解約手続きをすすめるために、正式な方法でなくても一度電話で解約の意思を伝えてもいいでしょう。
どんな場合でも契約途中なら違約金が発生する?
退去の原因によって条件はさまざまです。
たとえば、転勤や結婚など入居者の都合による場合は違約金が発生します。騒音などの隣人トラブルの場合は、結論がわかれます。
管理会社や大家さんは、入居者に快適な住環境を提供する義務があります。そのため貸主として、トラブルに対して適切に対処していたかどうかが問題になります。
もしも適切に対処していたとすれば、入居者都合の退去として違約金が発生する可能性があります。
違約金の値下げ交渉はできる?
値下げ交渉の余地はありますが、成功する可能性は低いでしょう。値下げをしてもらえるかどうかは、大家さんや管理会社の裁量によるところが大きく、退去者に値下げをするメリットがないからです。
まとめ|賃貸住宅の違約金は上手に付き合おう
今回は賃貸住宅の違約金に関して解説しました。内容をまとめると以下のとおりです。
- 契約期間の途中で解約すると違約金が発生する
- 長期で住む予定なら違約金があっても問題ない
- 解約条項を守れば契約途中でも解約できる
違約金は好条件で入居した借主が、すぐに退去することを防ぐために定められるルールです。契約期間の途中でも、解約条項に従って解約もできます。
自分の契約書がどんな条件になっているか、一度確かめてみましょう。退去日まで余裕があれば、不要な違約金を払わずに済むかもしれませんよ。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] これを読めば安心|賃貸住宅の違約金と上手に付き合う方法 […]