MENU

賃貸契約の途中解約の違約金、隣人の騒音で退去の場合はどうなるの?

当ページのリンクには広告が含まれています。

よくある隣人の騒音トラブル、それを理由に退去する場合、途中解約ということで違約金がかかることがあります。 

なぜなら、理由はともあれ、退去はあくまで自己都合だからです。 

退去の原因が隣人の騒音問題なら、自己都合ではなく対外的な要因なのではと、にわかに納得がいかないこともあります。 

そこで、この記事では、賃貸契約の途中解約の違約金はどうなるのか、退去の要因が隣人の騒音が理由でも支払う義務があるのかについてまとめました。 

隣人の騒音で退去を検討中の方や、途中解約の違約金についてお悩みの方には必見の内容です。ぜひ最後までご一読ください。 

目次

賃貸借契約の途中解約 

まず、賃貸借契約においては、原則、途中解約は禁止です。ただし、解約予告による場合、取り扱いが異なります。 

原則は途中解約禁止 

居住用賃貸契約の場合、賃貸契約期間が「2022年4月1日〜2024年3月31日」のように通常2年の契約期間が定められているのが一般的です。 

この契約期間内は、原則として一方的な解約はできません。 

つまり、「明日解約します」、「今週末退去します」というような主張は通りません。 

解約予告による途中解約 

 原則として一方的な解約はできませんが、解約予告を行うことで解約が認められる旨の条項が設けられている場合は解約可能です。 

一般的には、居住用賃貸契約の場合、解約予告をすることで解約可能な場合がほとんどです。解約予告についての契約書上の文面は、例えば以下のようなものがあります。 

(甲:貸主、乙:借主) 

(解約予告) 

第〇〇条 

 甲又は乙は本契約の更新を拒絶し又は解約しようとする場合、次の各号に従って相手方に書面をもって通知しなければならない。 

  1. 甲においては更新拒絶するについて正当事由があり、かつ、本契約終了日前6か月以上の猶予期間をおくこと。 
  1. 乙において、退去日(建物の明け渡し日)前30日以上の猶予期間をおくこと。 

⒉前項の規定にかかわらず、乙は解約申込日から30日分の家賃等相当額を甲に支払うことにより、即時に本契約を解約することができる。  

上記のような契約の場合、借主は30日前に予告するか、もしくは30日分の家賃等相当額を支払うことで解約が可能になります。 

途中解約の違約金 

解約予告することによって、途中解約は可能ですが、解約予告申込日から規程の日数を経ないときや短期解約違約金が契約にある場合、違約金が発生します。 

あわせて読みたい
賃貸物件に必要な初期費用の相場や目安は?安く抑える方法や敷金・礼金・初期費用無料情報も併せて紹介! 「賃貸物件の初期費用の相場は?」「内訳はどうなっているの?」「安く抑える方法はある?」と考えていませんか。 賃貸物件の初期費用は大きな金額になることが多く、新...

解約予告しても違約金が発生する場合 

 前述の契約書のように、解約予告による条項で解約予告が「退去日前30日以上の猶予期間をおくこと」とあれば、解約申込日が退去日まで30日ない場合には、規定の支払いが生じます。 

短期解約違約金がある場合 

契約によっては、「短期解約違約金」が設定されていることもあり、その場合は注意が必要です。解約予告をおこなっても短期解約違約金の条項に当てはまる場合は、違約金が発生します。 

短期解約違約金とはどんなものかというと、例示すると以下のようなものがあげられます。 

  • 1年以内に解約する場合は家賃等相当額の1か月分を支払う 
  • 6ヶ月以内の解約の場合は家賃等相当額の2か月分を支払う

つまり、例えば、賃貸借契約書に短期解約違約金として「6ヶ月以内の解約の場合は家賃等相当額の2か月分を支払う」という条項があれば、正当な理由であれ、適正に解約予告を行ったとしても短期解約違約金を支払うことになります。 

隣人の騒音トラブルなどで解約する時の違約金 

途中解約の違約金は、賃貸借契約に基づく貸主と借主間の問題です。隣人の騒音で、日常生活での生活音とは言えないほどの騒音であったとしても、退去などで解約するという選択をする以上は、違約金は発生します。 

責任の所在 

隣人の騒音で退去し賃貸借契約の解約となる場合、騒音に関しては、貸主や不動産管理会社に責任はありません。 

あくまで、責任の所在は、騒音の発生元である隣人にあります。したがって、騒音が理由で退去するといっても騒音を理由に違約金の支払い義務がなくなることはありません。 

違約金の支払いと補填 

 退去で賃貸借契約を途中解約する以上は、原則、解約違約金を支払う義務があります。

退去による途中解約の原因が自己都合ではなく、隣人の騒音が要因であると主張するには、隣人に違約金相当額を請求するより他ありません。

隣人が認めなければ、訴訟などの法的手段をとることになります。それにより、隣人の不法行為と認められる場合には、その隣人に対し損害賠償請求を行うことになります。 

つまり、途中解約の違約金の支払いにおいて、騒音問題は直接的な要因にはならないので、違約金を支払ったうえで、損害賠償請求においてその支払い分を補填するということになります。 

あわせて読みたい
賃貸物件の契約は保証人なしでも可能?UR賃貸への入居条件や保証人なしのメリット・デメリットを詳しく... 通常の賃貸契約には保証人がいることが大前提となっていますが、中には事情があって保証人が付けられない・・・と悩んでいる方もいると思います。 しかし、そんな風に悩...

騒音と受忍限度の判定 

騒音トラブルで判断が難しいのが、騒音のレベルです。騒音と感じるかどうかは主観によるものが多く、一般的な日常生活をおくる上でも一定の生活音は発生します。 

法律的な観点からは、社会生活上で、一般に受忍すべき範囲を超えて初めて違法とすべきであるとの考え方があり、これを受忍限度と呼びます。受忍限度を超える騒音であれば、騒音の元となる隣人の責に帰すべきと解すことができます。 

あわせて読みたい
ブラックリストでも賃貸の入居審査を通過できる手段を徹底解説 クレジットカードなどの毎月の支払いが滞ると「ブラックリストに載る」と一般的に言われています。そして、ブラックリストに載るとその後の生活に影響する、と心配され...

判例 

騒音について、具体的には法律上、どう取り扱われるのか、訴訟などでどうなるのか、なかなかイメージがしづらいものです。そこで、騒音についての損害賠償の判例を調べました。 

マンションでの騒音問題として、以下の判例があります。 

裁判年月日 平成24年 3月15日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 
事件番号 平20(ワ)37366号 
事件名 騒音防止等請求事件 

【裁判の概要】 

分譲マンションで居室を所有する原告がその階上にある被告に対し、子供の飛び跳ねや走り回りなどの騒音が不法行為にあたるとして、損害賠償請求をした事件。 

【判決の要旨】 

東京地裁は、居室内での子供の飛び跳ね、走り回りについて、就寝が予想される午後9時から翌日午前7時までの時間帯で騒音レベルの値が40(db)を超え、午前7時から同日午後9時までの時間帯でも騒音レベルの値が53(db)を超え、原告の受忍限度を超えるものとして、不法行為を構成すると示し、損害賠償請求を認めました。 

騒音の受忍限度の立証 

騒音による法的手続きをとるには受忍限度を立証する必要があります。 

上述の判例のように裁判では、具体的な騒音値(db)を示したうえで、主張することになります。 

騒音を測定するには、ボイスレコーダーやスマホアプリなどではなく、音圧レベル・騒音値(db)を測定することが出来る騒音計と呼ばれる測定器を用いて発生している音を計測する必要があります。 

参考となる騒音に関する条例 

騒音を測定してもどれくらいの騒音値が騒音として認められるかは、一般的には判断が難しいです。そこで参考となるのが各自治体の環境基準です。例えば東京都では、騒音に関して以下の環境基準を定めています。 

スクロールできます
地域類型 該当地域 地域の区分 時間区分/基準値 
昼間 
6時~22時 
夜間 
22時~6時 
A 第1種低層住居専用地域  
第2種低層住居専用地域  
第1種中高層住居専用地域  
第2種中高層住居専用地域  
田園住居地域 これらに接する地先、水面 
一般地域 55db以下 45db以下 
2車線以上の車線を有する道路に面する地域 60db以下 55db以下 
B 第1種住居地域 第2種住居地域 準住居地域 用途地域に定めのない地域 これらに接する地先、水面 一般地域 55db以下 45db以下 
2車線以上の車線を有する道路に面する地域 65db以下 60db以下 
C 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 これらに接する地先、水面 一般地域 60db以下 50db以下 
車線を有する道路に面する地域 65db以下 60db以下 

騒音に係る環境基準|東京都環境局 (tokyo.lg.jp) 

賃貸マンション・アパートの場合、上表の「A」の区分の「一般地域」に該当するので、昼間であれば50〜55db、夜間であれば40〜45db以上になると騒音としての受忍限度を超えると考えてよいでしょう。 

あわせて読みたい
賃貸物件退去時のハウスクリーニング費用は払わなければならない?トラブルにならない為にも抑えたいポ... 賃貸物件でよく問題になるのが、退去時のハウスクリーニングです。  賃貸物件を退去する際、入居者は部屋の状態を入居時と同じくらいにしておかなければいけません...

貸主や不動産管理会社の責任 

騒音トラブルによる違約金は貸主や不動産管理会社に責任はありませんが、①不動産管理会社の義務不履行、②貸主や不動産仲介業者の告知義務違反がある場合、何らかの賠償責任は生じます。 

①義務不履行の場合 

騒音でのクレームが生じた場合、不動産管理会社はエレベーターなどに注意喚起の書面を貼る、全戸の郵便受けに同一の書面を投函するなどの対応をします。 

こういった注意喚起の対応をしない場合、大家・不動産管理会社に対して義務不履行を主張することができます。 

②告知義務違反の場合 

契約をする前から受忍限度を超える騒音問題が発生していた場合には、告知義務違反を問えることがあります。

契約前に、貸主や不動産仲介業者が、「騒音が発生している事実を知っていた」にも拘らず、借主に説明しなかった場合には告知義務違反になるので、損害賠償請求が可能になります。 

あわせて読みたい
引越しを検討中の方必見!賃貸物件の違約金について徹底解説  引越しを検討中の方の中には、現状の賃貸物件の違約金が必要なのか、いくらになるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。  この記事では賃貸物件に関す...

まとめ 

賃貸借契約では、原則的に途中解約はできません。ただ、一般的には、居住用賃貸契約の場合、解約予告をすることで解約可能な場合がほとんどです。解約は可能なものの途中解約では違約金が発生することがあります。 

 隣人の騒音に悩まされる場合などは、短絡的に退去という選択肢をとる前に、冷静に行動することが重要です。 

まずは、騒音の問題があれば、大家・不動産管理会社に連絡して対応を待ちましょう。一般的に適正な対応がされたかの確認、それにより問題が解決しない場合、契約前から問題が起きていた可能性ついても考慮しましょう。 

また、賃貸借契約上、途中解約の場合の解約予告の期日や短期解約違約金などがあるかを確認しましょう。その上で、騒音が受忍限度を超えるものかどうか、測定します。 

隣人への損害賠償請求などは法律問題なので、事前に弁護士などの専門家に相談しながら進める方が賢明です。法的手続きをとる意向があれば、それが抑止力になり、問題解決につながることもあります。 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次